僕が献血を始めたきっかけ。

先日U太が部屋の片付けをしておりましたら、押し入れの中から一つのビニール袋を見つけてきました。


それはずいぶん前に実家から持ち帰っていた、僕宛ての古い郵便物。


小学生時代やら中学・高校の友人からの当時の年賀状やら、昔の職場の同僚からの手紙やら、お客さんからの手紙やら。
中には幼稚園の頃の先生からのお手紙もあったりと。

手紙っていいなぁなどと思いながら懐かしく読んでおりました。
今のメールでは味わえない良さがあります。



そんな中、一通の封筒がありました。茶色い封筒に丁寧な文字。

裏の差出人を見ると覚えのない女性の名前。



え～？誰だっけ・・・・・・



・・・・・・・・・あ、思い出した・・・・・・・・・・






高校時代にさかのぼります。



たしかその日は土曜日だったと思います。


授業中だったかな、職員室に呼び出されました。

行ってみると、他にも数人の生徒が集まっていました。


先生曰く、「今、緊急にAB型の血液を必要としている人がいるので、すぐに救急病院にいって血液を提供してほしい」旨の話を聞きました


なぜ、その当時高校生の僕らに話が来たのかはさっぱりわかりません。


憶測ですが、我が校には衛生看護科なる、看護婦さん（今は看護師さんですね）を育てる学科もあったために、病院とのつながりがあったので、そんな話が来たのかもしれません。ホントの理由はよくわからないままです。


でも人助けになるなら、と行くことに決めました。


僕ら５、６人の生徒を一台のワンボックスカーに乗せて医師会病院へ。


当然、これが初めての献血なのですが、献血しているときのことはよく覚えていません。


ただ終ったあとに、誰かの役に立てたんだという、すがすがしい気持ちが残った事だけは覚えています。



そしてそれからしばらく経って・・・・・・・

そのことも忘れたころ、自宅に一通の茶色い封筒が届きました。見知らぬ女性の名前・・・・


中には手紙が一通入っていました。





それまでは当然その患者さんは助かったのだろうと思っていました。

この手紙を読んで、とても悲しい気持ちになった事は覚えています。



顔も知らない人ですが・・・・・・

ただ、生きていて欲しかった・・・・・・・・・






先日９２回目の献血を済ませました。
今年中には１００回目を迎えることができそうです。
これだけ頻繁に通うようになったのは１０年くらい前からでしたけど。
平日の休みの有効活用として、困っている人のなにか役にたてるならと通い始めました。
（ちょうど献血ホールが我が家に近い場所にあったからというのもあります）


いままで９２回の献血をしてきたということは、もしかしたら９２人のどこかの誰かと、血液を通じてつながっているかも知れない。自分の血液が９２人の役に立ったかもしれないと思うわけです。
・・・と言っても、僕の場合ほとんどが成分献血。おそらくは血液製剤として使われるかも知れないので実際は「９２人」というのは間違いかもしれません。

でも誰かの役に立ててるのは間違いない！と信じています。



「身近なボランティア、献血」。僕ができるうちにはなるだけ続けて、一人でも多くの人の、ほんのささやかではありますけど何か力になれたらいいな、と思っています。



一通の手紙を通じて「高校時代のこーじ」に、当時の気持ちを思い出させてもらいました。




ちなみに我が家のU太、現在１５歳。
まだ献血はできません。
しかし来年の誕生日を迎えたら僕も行こう！と言ってくれています。

タグ：献血　きっかけ　成分献血

コメント 16

・・・・・・・・・・・・・・・号泣ッ！！
何とも切なひが・・・

ぢゃがッ！！素晴らしひぞよッ！！再泣！！
爺ぃの年齢ではもう、献血は無理ぢゃが、
1人1人が、出来る事から、ぢゃな・・・・
by アス爺ぃｗ (2012-03-07 06:58) 

そういう背景があったんですね。
綺麗な字でわざわざお礼の手紙を送るなんて、亡くなったのになかなか出来ることではありませんよね。
何でもまずは出来ることから。
by moumou (2012-03-07 08:04) 

朝から泣いてしまったではありませんか。。。
親の立場で考えて、こんな風に礼状を書けるかな、私には出来ないと思うな。

初めての献血で貧血になり、最初で最後となってしまいました。
他の形で頑張ります。
by angiras6 (2012-03-07 08:25) 

そう言うこと・・ありますね。
お手紙を下さった方の熱い気持ち・・・・
思いやりを感じます。
朝から良いお話聞いて・・・・・

今日も一日頑張ろう〜〜！＾＾
by hatumi30331 (2012-03-07 09:22) 

＞アス爺さん　
そうですね。実際に献血したくてもいろんな理由で献血に協力できない方はたくさん居られます。
その分、僕ら出来る人は献血で応援していきたいと思います。
それぞれ出来ることから、ですね。
by こーじ (2012-03-07 10:05) 

＞moumouさん
この手紙との再会で最初のきっかけを思い出すことが出来ました。
一緒に献血に協力して手紙を受け取ったみんなもきっと僕と同じ思いだったと思います。でもとてもいい経験だったと思います。
本当に心がこもったお手紙ですよね。
そうですね。まずは出来ることから、ですね。
by こーじ (2012-03-07 10:19) 

＞angiras6さん
あぁ、ゴメンナサイ。泣かしてしまいましたね。でもこんなこともあるんですよね。
若い彼らにはとてもいい勉強になったと思っています。他人の「死」にこんなに悲しいと思ったのはおそらく初めてだったと思います。
そしてこのお手紙、今改めてみると本当に感謝の気持ちが伝わってくるよい手紙ですよね。ありがたいことです。

「献血に協力したい！しかし出来ない」という方、結構いらっしゃいます。（ウチの嫁さんも献血後に貧血状態・・・）でも大丈夫。その分僕らできる者が協力していきます。
ボランティアにもいろんな形があると思いますしね。ひと、それぞれです。
by こーじ (2012-03-07 10:28) 

＞hatumi30331さん
この方は残念ながら亡くなられてしまいましたが、若い彼らにはいい経験になりました。
このお手紙、ご遺族の方の悔しさも、そして僕らに対する思いやりもすごく伝わってきます。心がこもってますよね。
何より、やっぱり健康が一番ですね。

今日も健康に、一日一日を大事に過ごしましょうね。
by こーじ (2012-03-07 10:36) 

こーじさん、敬服いたします。
恥ずかしながら献血は3回しかしたことがありません。
思い出したのは、前の会社でのこと。社員に子供が生まれたのですが、血液をすべて換えないといけないとのことで、社員の中からO型の若手3人が選ばれ病院へ。血液検査の数時間後、血液を採り輸血されました。その子、今はもう成人している筈です。
by tsun (2012-03-07 12:04) 

＞tsunさん　
いえ、ぜんぜん恥ずかしいなんてことありませんよ。
機会があればするということで十分だと思いますし、問題は回数ではありませんよ。気持ちがあればいいんじゃないでしょうかね。
そうですか、血液を全て換える・・・。そんなこともあるんですね。
その子の命はtsunさんの「命のおすそわけ」があって今も元気なんでしょうね。そう考えると助け合いってすばらしいことですよね。
まさに命のリレーですね。
by こーじ (2012-03-07 13:59) 

なるほど．．．こんな悲しいことに直面したんですね。

私も少しでも役立てればと献血に行くようにしています。

確かに行く回数分、知らない誰かとつながりができているんでしょうね。

私も引き続き行っていこうと思います。
by tac-phen (2012-03-08 02:31) 

＞tac-phenさん
今になって考えればとてもいい経験になったと思ってます。
最近はちょっとした休日の時間つぶしもかねてやってますが、動機はどうであれ、少しでも人の役に立てるのならと継続してやってます。
去年話題になった漢字一文字の「絆」、まさに献血でも人と繋がっていけるんだなと思いました。
by こーじ (2012-03-08 08:47) 

こーじさん，偉いなあ。

それに，手紙，悲しい内容です。
高校時代のこーじさんも，すごくショックを受けたんでしょうね～。けど，そのことで，今のこーじさんの生き様があるんですね。一粒の麦，ですね。
by まっち (2012-03-10 16:13) 

＞まっちさん　
一粒の麦、知らなかったので調べてみました。
「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、 一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」
・・・・・・・なるほど、その通りですね。その方の命のおかげで今の僕がいるのかもしれませんね。
素敵な言葉、ありがとうございます。

by こーじ (2012-03-10 20:32) 

えー話です。涙が出そうになりました。
だから100回なんですね。
by hayazou2002 (2012-03-13 23:24) 

＞hayazou2002さん
ありがとうございます。
まずは１００回が目標です。それから先は２００回、いや３００回でしょうかね。
出来る限りは頑張ります！
by こーじ (2012-03-14 07:30)